我が家の清く正しい本棚

DIYド素人である本サイト管理人が、本棚DIYの名著「清く正しい本棚の作り方」を参考にして高さ約1.9メートル・幅約2.6メートルの本棚を製作する過程で考えたこと・思ったこと、また、完成した本棚を実際に使ってみて感じたことをココに記録しておく。
1.まとめ
まずは特筆すべきことを簡単にまとめてみると・・・
- 【設計】欲張って大きく作りすぎると重すぎて製作中・設置の取り回しがとても大変。
- 【材料】木材はネットで購入し(カット等の加工を含む)、自宅まで配達してもらうのが楽である。
- 【材料】垂直な穴あけにはドリルガイドが必須である。
- 【組立】巨大な本棚の組み立て作業はすごく達成感がある!
- 【組立】側板と棚板を垂直に接合する難易度は高くない!
- 【塗装】塗装前のやすり掛けの工程は 想像以上に苦痛 である。
- 【塗装】背板の固定には釘よりはビス(極細ビス)の方が個人的には扱いやすい。
- 【使用】本の滑りが悪い。また、重い本で木口の角をこすると、塗料が剥げてくる。
- 【全般】色々あったがDIY楽しい^^。本棚作って良かった。取り揃えた工具で他の家具も作りたくなってきた。
全行程を通じて「やすり掛け」が一番大変だった。今後、同様に巨大な家具のDIYをやるなら、いかにして「やすり掛け」を減らす・なくすかを考えて設計したくなるほどに・・・辛い工程であった。今後のDIYに生かすことにしよう^^;
2.構想
構想段階では「清く正しい本棚の作り方」やその他ネット上のサイトを眺めつつ個人・家庭の事情を考慮し、大まかな要素(本棚のサイズや本数、使用する木材)を決めた。
本棚のサイズと本数
- 本や雑誌と同じ程度にA4ファイルボックスの収納が必要なため、本棚の奥行は300mm確保する。
- 本棚設置スペースは天井高2,400mm、幅2,700mm程度あるが、本棚の高さは部屋の入口や玄関の高さ(2,000mm)を考慮し1,900mm程度とする。本棚の幅も同様の考え方を適用し、640mm程度(棚板600mm、側板厚21mm×2)とする。
- 本棚の本数は4本(サイズはすべて統一)とし、上下2段構成とはしない(収納量が足りなくなったら付け足す)。
使用する木材と板厚
- 木材については、不透明塗料で塗装するので(木目等美しさはあまり気にせず)、価格の安いシナランバーコア合板を使用する。
- 板厚については、少々の費用の削減よりは頑丈さを優先し、21mmとする。
3.設計
構想段階で大まかに決めたサイズ(本棚一つあたり高さ1,900mm、幅642mm)に収まるよう、各棚の高さを決めていく。
高さ方向寸法
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幅方向寸法
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- A4特大の棚は、A4ファイルボックスの長辺が317mm(例:コクヨ製ファイルボックス)であったり、市販のクリアホルダーが高さ310mmであることを考慮してのこと(A4特大のせいで、1900mmを超えてしまった^^;)。
- 設置場所の幅一杯に本棚を作るとコンセントに干渉して使用不可になってしまうので、全幅が設置場所の幅より100mm程度小さくなるよう設計した。
- 側板や棚板の奥行は(構想で述べた通り)300mmであり、最終的には背板の厚さ(3mm)を加えて303mmとなる。
※ 組み立ててから気付いたのだが・・・高さ1,920mm 幅642mm 奥行303mm 板厚21mm の本棚は 結構な重量になる(実測約24kg)。個人的には、向きを気軽に変えられる重量ではなく、組み立て以降のやすり掛け・塗装のための向き替えがとても億劫であった・・・これ以上大きくしなくて良かったと心底思った次第^^;
4.材料

DIY素人なので、木材はもちろん、工具や消耗品類も一通りそろえていった。
木材
- 購入店舗
木材の購入店は、ネットを「木材 加工」等キーワードで検索し、木材およびサイズの指定のみで購入できるオンライン店舗を選択した。ネットで購入すれば木材運搬の力仕事は不要であり、高さ・幅・厚さのみの指定で購入可能な場合は木取り図といった図面も不要なため、とても楽。 - 端材
オンライン店舗の場合でも、購入する木材とは別に端材がもらえる場合は、遠慮なくもらっておく(組み立て時のケガキ用のものさし代わり、やすり掛け・塗装時の土台代わり、紙やすりを巻き付けての使用等々にとても重宝する)。
工具
- さしがね(50cm)、定規(50cm)
さしがねは、棚板が側板に垂直かどうか見たりするのに使えるが必須ではないと思った。定規(透明定規)があれば十分だった。
レイメイ藤井 すべらないカッティング定規
目盛り: 50cm - ドリルガイド
組み立て時に側板にバカ穴をあける工程があるが、目視のみで垂直に穴あけができる自信がまったくなかったので「wolfcraft(ウルフクラフト) ドリルガイド」を購入。通販サイトにレビュー等なく若干不安であったが、本棚程度のDIYには十分な精度の垂直の穴あけが可能 であると実感した(170回ほどバカ穴あけを行ったがミスは0だった)。
wolfcraft(ウルフクラフト) ドリルガイド
ドリルガイドサイズ: 4・5・6・8・10mm - 木工ドリル
バリが少なく綺麗に穴あけ可能と言われているドリル(とあるサイトでは「対称刃付きドリル」と書かれていた)が欲しくて形状だけを頼りに探した結果「ALPENコバルト木工ドリル」(全長75mm 溝長43mm 刃径4mm)というものを購入したが、上記ドリルガイドと合わせて使用するには全長が短く、ドリルビットを電動ドリルに浅く噛ませて使っていた(特にトラブルは発生しなかったが)。ドリルガイドを使う際は、ドリルビットの全長に注意。また、予備を含めて二つ購入したが、一つで十分だった。
ALPEN コバルト木工ドリル 4.0×75mm
全長: 75m、溝長: 43m、刃径: 4mm、シャンク径: 4mm - ドライバビット
長く使えそうなものを・・・ということで「アネックス(ANEX) 龍靭ビット」を2種類(+2(コーススレッド用)、+1(極細ビス用))購入した。
アネックス(ANEX) 龍靭ビット +2×110 2本組
刃先 × 全長: プラス2 × 110mm、ビット形態: プラス、両頭アネックス(ANEX) 龍靭ビット +1×110 2本組
刃先 × 全長: プラス1 × 110mm、ビット形態: プラス、両頭 - 面取りカッター
「清く正し本棚」に載っている、コーススレッドで側板と棚板を固定した時の写真を見ると、バカ穴のバリなど気にせずネジ頭を強引に側板にめり込ませているのだが、あまり美しくない・・・。後工程で綺麗になるとは言え、ちょっとなぁ・・・ということで(実用性よりは興味半分で)コーススレッドを打ち込む前のバカ穴の面取りをするために本品を購入してみた。
岡崎精工 (OKAZB) 1型/面取りカッター CS1S 8-15
刃径: 15mm、面取径: 6~14mm、全長: 70mm、シャンク径: 8mm、シャンク長: 45mm
電動工具
- ドリルドライバー
やや奮発して「マキタ 充電式ドライバドリル DF470DZ」を購入した。シナランバーコア合板へのバカ穴開け、コーススレッド(全長65mm、よび径3.8mmの細めのコーススレッド)の打ち込み程度は楽々とこなしてくれた。マンション室内で使用する分には騒音が近所迷惑になるようなこともなく、気兼ねなく使うことが出来た。購入にあたってはバッテリー付属の型番(DF470DRTX、DF470DRMX)はいずれも大・中容量バッテリー(5.0Ah、4.0Ah)が二つも付属していて個人で使うにはあまりにもオーバースペックに感じたので「本体のみ版(DF470DZ)」+「小容量バッテリー(BL1430B)(3.0Ah)一つ」+「充電器(DC18SD)」の組み合わせで費用を抑えて購入した(本棚DIY程度では小容量バッテリーで不都合はまったく感じなかった)。なお、本体はすでに後継機「DF474DZ」が出ていて(2017年5月時点)、より高性能・コンパクトになっているようだ。
マキタ 充電式ドライバドリル 14.4V 青 (本体のみ/バッテリー・充電器別売) DF470DZ
穴あけ能力(木工): 38mm、ネジ締め能力(木ネジ): Ø10x90mmマキタ 充電器 直流7.2-18V DC18SD
出力電圧:直流7.2-18Vマキタ リチウムイオンバッテリー 14.4V 3.0Ah BL1430B
14.4V 3.0Ahバッテリ、残容量表示+自己故障診断機能搭載 - インパクトドライバ
ドリルドライバーと同時に、実はインパクトドライバーも購入したのだが・・・「ダダダダダ・・・」という騒音は気兼ねなく使えるレベルを遥かに超えていた・・・ということで、いつか使うであろう日を夢見てお蔵入りした。本棚のDIY程度には登場の余地はない工具なのであった。 - サンダー
やすり掛けが大変であることは「清く正しい本棚の作り方」にも記載があったので、楽をするべくサンダーも購入したのだが・・・やはり振動と騒音が激しく(モデルによる違いはあるかもだが)・・・集合住宅に住まう人々は買ってはいけない。やすり掛けの際は、紙やすりを木片に括り付けて、修行のごとく無心となりひたすらに磨き上げるしか方法はないのだ^^;
釘・ビス
- スレンダースレッド
「清く正しい本棚の作り方」では、側板と棚板の接合に「太さ4.8mm、長さ90mm のコーススレッド」を使用しているが、我が家の場合は打ち込み易さとナナメった場合のはみ出しリスクを考慮し「太さ3.8mm、長さ65mmのスレンダースレッド」を選んだ。なお、接合強度が下がらないよう、棚板の接合には片側3本のスレンダースレッドを使用することにした(この方法は接合作業が若干楽になる反面、パテ盛り箇所が増えることによるやすり掛けの面倒さ増大というデメリットもある)。ビスの長さは、板厚の2倍~3倍と言われているようだが、選んだスレンダースレッドの場合、長さ65mm以上にしないとネジの切られていない部分の長さが板厚の21mm以下となってしまうため、65mm以外の選択肢はなかった。
WAKAI スレンダースレッド2000
サイズ: 3.8x65mm、ねじ部: 45mm - 極細ビス
背板の固定用に購入した。当初は「清く正しい本棚の作り方」に従って釘を購入する予定でいたが・・・金槌の騒音を出したくなかったのと、釘を使わずビスを使うのが最近のトレンド(あえて、締結力の弱い釘を使わない)らしいので、ビスを使うことにした。なお、普通の太さのビスだと下穴なしでは板割れしそうなので・・・「ダンドリ 極細ビス 頭小 37mm」を下穴なしで打ち込むことにした。結果・・・扱いやすくて大正解!
ダンドリ 極細ビス 頭小 37mm
サイズ: 2.6×37mm、頭径: 4.2mm、線径: Ø2.0mm
接着・補修
- 木工ボンド
速乾性ボンドを使用したが、早く乾きすぎて手際が悪いとボンドのふき取りがやり辛い。ボンドを塗装面に残すと塗料を弾いてしまうので、多少乾きが遅くとも通常のボンドを使用してきれいにふき取れるようにしておいた方がよいと思った。
ボンド 木工用
内容量: 500g - 木工パテ
本棚を4つの製作には、木工パテ(120ml)一つではギリギリ足りなかった。
セメダイン 木部補修用 木工パテA ラワン
内容量: 120ml、色: ラワン
ヤスリ
- 紙やすり、耐水ペーパー
単に木材をやする分には消費量は小さいが、木工パテ部をやするとすぐに目詰まりを起こして使い物にならなくなる。また、木工パテ部のやすり掛けには#80~#120程度でないとえらい時間がかかる。なので、番目の小さい紙やすりは10枚/本程度、番目が大きい仕上げ用のやすりは数枚/本程度あれば足りると思われる(慣れにもよって消費量が変わったので・・・必要枚数は一概には言えない)。耐水ペーパーは数枚あれば本棚4つの仕上げには十分だった。
三共理化学 紙ヤスリ #100
10枚入り - ハンドサンダー
やすり掛けは基本的には、紙やすりを角材(長さ30cm程度)に巻き付けて使用するのだが、ハンドサンダーなるものも使ってみたくなり・・・細かい箇所をやする用に購入した。やはり広い面をやするには不向きであるが、素手でも使えるので、気分次第でちょくちょく使用することになった。
sakazume ハンドサンダー クリップ式
パット面サイズ: 70×200mm - 竹ブラシ
やすり掛けした後の木材に付着した粉を払うのに購入してみたが・・・いちいち丁寧にやってられなかった。掃除機でざっと吸い込み、あとは濡れ雑巾でふき取る方法が手っ取り早かった。お蔵入りアイテム。
塗料・ハケ
- 水性塗料
価格が安かったのと、欲しいカラーの1.6リットル缶の在庫がなかったので「アサヒペン 水性スーパーコート(5リットル)」を購入したが・・・上塗り回数を減らしたせいもあってか、約半分程余った。また、5リットル缶はローラーでの塗装に向いた形状はしているが、塗装時に別の容器に小分けにするには扱い辛い。次に購入する際は、1.6リットル缶を複数購入すると思う。
アサヒペン 水性スーパーコート
内容量: 5リットル、色: ブラウン - 塗料缶+カートリッジ
「清く正しい本棚の作り方」にならって洗面器でもよいかと思ったが・・・業者っぽく「大塚刷毛 らくらくカートリッジ 3型 30枚(塗料缶付き)」なるものを購入してみた。原液用、希釈用(塗装用)、刷毛置き(水入り)用と複数容器を使い分けつつ作業したので、買って正解だった。また、カートリッジ式なので塗料缶を汚すことがなく、カートリッジは気兼ねなく捨てられてとても便利だと思う。
大塚刷毛 らくらくカートリッジ 3型
2.2リットル用カートリッジ30枚入り、ブリキ製外缶付き - 刷毛
「広い面積を塗るのだから、大きい刷毛が良いはずだ!」とばかりに小さい刷毛には目もくれず、好川産業の105mmサイズの刷毛を購入してみた。確かに広い面は塗りやすいが・・・微妙な力加減が利かない(ムラになりやすい)、A5用の棚のように棚の高さが低い場合は刷毛の切り替えしが出来ず塗り辛い、木口が塗り辛いといったデメリットもある(慣れてしまえば、どうってことないのだが)。
その他
- 養生シート
屋外での作業はほとんどせず、絨毯や畳の部屋で作業したので、当然ながら養生シートは必須。サイズ 2.7m × 3.6m のシートを購入し、常時敷きっぱなしで作業した。
ユタカ シート #3000
幅×長さ:2.57×3.47m、色: 表シルバー/裏ブラック
5.組立

木材を組み上げて本棚の形を作っていく過程はとても満足感のある作業だ。Let’s enjoy!
ケガキ
- 側板長(1920mm)の端材があったので、ケガキ線を引く際には定規代わりに使用した。購入した50cmの定規では長さが足りないケースもあり、とても重宝した。
- ケガキ線を消しゴム等で消すのは億劫だったので、側板全体に線は引かずに、バカ穴位置の目印および、側板側面(木口部分)に棚板位置の目印を付けるためだけの最低限のケガキ線のみで済ませた。
バカ穴
- 使用するスレンダースレッド(太さ3.8mm)に合わせて刃径4mmのドリルで穴をあけたら、微妙に小さく感じた(力を加えないと、ビスが穴の中に入っていかない)。もう少し大きなドリルで良かったかもしれない。
- 個人的には穴あけ時のバリは少ない方が好みなので、端材等を穴をあける板の下に敷いて作業するのがお勧め。
- 穴あけには、購入したドリルガイドを常に使用した。穴あけ角度を気にせずどんどん作業が進められるので、DIY素人には必需品だと思った。ドリルガイドの4mm穴には若干の遊びがあったが(あたりまえか・・・)遊びの量は個人的には許容範囲で、本棚DIY程度には十分な精度だと感じた。
バカ穴面取り
- 購入した「面取りカッター」を使ってバカ穴を皿状に面取りしてみたら・・・楽しいじゃない!どのみちパテ盛りでバカ穴の形状なんてどうでもよくなるのだが・・・楽しさのあまり全てのバカ穴を面取りしてしまった。
- なお、シナランバーだと面取り作業にてさらにバリが出来てしまう場合あり。美しさは期待しすぎない方がよい。
- パイン集成材+パテなし+無塗装といった、見せる作りをするケースにおいては、面取りカッターは重宝するかもしれない。
ボンド
- 「清く正しい本棚の作り方」にボンドは塗料を弾く旨書かれていたにも関わらず・・・雑にふき取った数か所は塗料が綺麗にのらなかった・・・(目立たない箇所ではあるが)。美しさを追求するなら、完璧にふき取らなければならない。
- 速乾ボンドを使ってみたが、思いのほか乾くのが早い。モタモタしているとどんどん粘度が上がり、雑巾に吸い込まれなくなっていく。素人は速乾に手を出すべきじゃなかったな・・・。
組み立て
- 組み立てる前は「本当に直角に締め付けられるだろうか。ずれてみすぼらしい本棚にならないだろうか。」と不安に駆られ、ネットで「木材 垂直 接合」などでさんざん検索し、「コーナークランプ」を買おうかどうかで悩んだりしたが・・・いざやってみると工具不要で、意外と簡単だった。側板に棚板をネジで接合すると、締め上げる力で微妙な角度のずれ程度なら、自動的に直角に修正されてしまうのである。むしろ、棚板が側板から前後にはみ出さないように気を付ける方が重要だと思った。
- 棚板と側板の接合位置がずれないよう、ネジで徐々に締め付けたが、やり直しは一度もなかった。ずれは・・・微妙にずれた箇所があったがいずれも1mm以下の範囲。スレンダースレッド+高性能ドリルドライバのおかげか。DIY素人にしては上等な出来だろう。
- ハカマの固定は「清く正しい本棚の作り方」では側板方向からのネジ止めと、棚板方向からの隠し釘による固定を推奨していたが・・・金槌と釘を所有したくなかった(近所迷惑なので・・・)ので、ネジ止めのみ(側板方向から左右1本ずつ。固定には棚板と同じスレンダースレッドを使用)とした。奥さんの掃除機攻撃に果たして耐えられるか・・・。
パテ盛り
- 木工パテを多めに盛る戦略は・・・「肉痩せ⇒再度パテ盛り」が不要になるので、一見ラクなように思えるが、盛ったパテを削る作業が死ぬほど辛くなる(大げさな・・・^^;)。電動工具のサンダーが使えるような人はジャンジャン盛ってしまえばよいと思うが。
- 木工パテを少なめに盛る戦略は・・・何気に「少量塗る⇒肉痩せ後再度充填」というのが木工パテの説明書に記載された推奨手順のようであるが、パテが乾いて研磨可能になるのに丸一日かかる。この時間経過を許せるのであれば、ギリギリ薄くパテを盛ることを繰り返すことにより、後工程のパテを削る作業の辛さを最小限に抑えることが可能になる。手作業でやすり掛けをする人は、時間をかけてでもこちらの方法が後々楽かもしれない。
6.塗装

研磨・塗装工程、特に研磨には全工程中一番の根気と体力が必要で、DIYド素人の筆者は想像以上に大変だった。ただ、美しい本棚の完成には避けては通れない。無心になれ・・・(もしくはサンダーが使用可能な環境を用意すべし^^;)
やすり掛け
- 基本的には、紙やすりを端材に巻き付けて使用する「清く正しい本棚の作り方」流なのだが、木口等細かい箇所はハンドサンダーを使用した。端材でやする場合は、直接手にやすりが当たるので、手が荒れないよう軍手をして作業した。
- 粗削りについては、手慣れてないせいか・・・パテ盛り箇所の研磨を#150から始めたら・・・200往復しても3つの山が平らにならないという・・・^^; #80に変えてみると、そこそこ効率よくパテが削られていくが、木材にも結構ダメージあり(木目と垂直に研磨したら、結構目立つ傷に。ニス等の透明塗料で仕上げる場合は、#80はやめた方がよい)。研磨効率とダメージのバランスをとって・・・最終的には#100に落ち着いた。
- 仕上げのやすり掛けには#240を使用した。さらに#400を使うかどうかで悩んだが、個人的には#240でも十分な仕上がりを感じたので、#400は出番がなかった(若干、やすり掛けが面倒になったのもある・・・^^;)。
- ということで、#100で粗く削って、#240で仕上げるやり方に落ち着いた。
- やすり掛け作業は、最初は室内でやることに抵抗があり、ベランダで作業を始めてみたが・・・結構やする音がうるさい上に、木くずが大量に放出されるため、またしても近所迷惑を感じたので・・・気兼ねなく作業可能なよう、やすり掛け以降は室内に養生シートを敷いて作業するスタイルにした(それでも、作業は週末の昼間のみだが)。集合住宅辛い^^;
塗装
- ボンドのふき取りが甘い箇所は、、やはり塗料を弾くのであった。強引に厚塗りすれば何とかなる場合も。
- 塗料は水で半分程度に薄めて使用すると書籍にはあったが、薄めすぎた塗料を厚く塗りたくると見るに堪えないまだら模様になるので、薄めた場合はくれぐれも注意。
- 丁寧に・綺麗に塗装しようと思ったら、大きすぎない刷毛で時間をかけて塗ると良いかも。大きい刷毛は微妙な力加減の調整がままならず、縞々になりやすいような気がした。ただ、背板等の広い面積を塗る場合は・・・やはり大きな刷毛(いっそのことローラー)の方が効率がよい。
- 下塗り・上塗り後のやすり掛けは#240で十分だった。
- 4本の重量級の本棚を相手に結構疲れてしまい、塗装工程は最終的には、下塗り(濃いめの塗料)⇒研磨(紙やすり #240)⇒上塗り(濃いめの塗料)⇒研磨(耐水ペーパー #2000)⇒手塗り(かなり薄めた塗料)⇒完成、となった。
- 木口は塗料の吸い込みが多いのもあって、4~5回は塗装した。また、木口には割と凹凸が残っていて、仕上げでやすると塗装が剥げてしまう・・・ので、木口は(刷毛の抜け毛が埋まってたりしている場合を除き)ほとんどやすり掛けをしなかった。
- 鏡面にはほど遠いが、つるっつるの仕上がりになった!
背板
- 背板の取り付けの際は、二人いた方が断然楽(特にウチの本棚は大きいので)。
- 背板の固定には、釘を使わずに極細ビスを使用したが、大正解。使用したドリルドライバ(DF470DZ)ではパワーがありすぎて、慣れないうちはビスがめり込み過ぎてしまったところもあるが、金槌でガンガンたたくより作業が非常にスマート^^;である。締結力も何の問題もない。別途金槌を入手する必要がなく、ドリルドライバー一つで済ませられるので、断然お勧め。
7.設置

- 結構重たい(24kg/本)上に、部屋の出入り口ギリギリの高さで作ってしまったので、部屋間の移動が重労働。背板を固定してしまうと、より持ち上げ辛くなるので、設置部屋に運んでから背板は固定した方がよい(重たい本棚の場合は)。
- カーペットの部屋に設置してみると、隅に置いた本棚以外は結構前に傾く(本棚上端が、壁から数センチ離れる・・・怖ッ)。割りばしの出番か・・・と思ったが、ホームセンターで「倒れ防止板」を購入し、傾きを最小限に抑えることにした(のが上の画像。なんて不格好な・・・)。
- あたりまえだが、設置場所にジャストサイズの本棚(群)である!ピッタリ想定通りに収まる様は・・・苦労して作った甲斐があったよ (´;ω;`)
8.使用感

- 塗装によりツルッツルに仕上がったかと思ったが・・・本などの滑りがあまりよくない(化粧板と比較したらダメか・・・)。また、重たい本を木口にこすりつけたりすると、木口の角の塗料は摩擦で思いのほか簡単に剥げてしまい、木材が見えてくる(チラッとだけだけど)・・・頑張ってきれいに仕上げたのに (´;ω;`) 塗料を誤ったのか、上塗り回数が少ないのか、塗装技術が甘いのか・・・奥が深いなぁと思う。
- 奥行きが300mmもあるので、、本棚上部のA5サイズ領域は当然ながら「魔の二段収納」と化してしまった^^; 清く正しいとはあまり呼べない本棚ではあるが・・・満足な出来なので良しとしよう!