2016-04-09
「ErgoDox EZの注文 」を機に、がぜんメカニカルキーボードへの興味が沸いてきたのだが、インターネットでいくら物色しようが実物に触ってみない事には良し悪しが判断できないではないか、、ということで首都圏においてメカニカルキーボードの試し打ちが沢山できそうなところである「秋葉原」へ行ってきたのでレポートする。
1.探索したキーボードについて
昨今はゲーム向けと称した「ゲーミングキーボード」というカテゴリがあったりするが、キーボードの個人的な使用用途としてはどちらかというと「プログラミング」や「文書タイプ」がメインなのと、タイトルにあるとおり「メカニカルキーボード」の探索に行ったため、
ゲーミングキーボードはあまり眼中になかった
メカニカルキーボード(もしくは似たような打鍵感が得られる静電容量無接点方式のキーボード)を主に物色し、他の方式(メンブレン、パンタグラフ)はちらっと眺めた程度
という前提で以下を読んでほしい。
2.キーボードの展示が多かったお店
ざっと見て回った中で、比較的展示が多かったお店(事前に綿密な調査をしなかったので他にもあると思う・・・)。
ツクモeX.(B1F 2F) 地下1階がゲーマー向け機器のコーナーになっていたが、ゲーミングキーボード(Logicool、CORSAIR、ROCCAT、Razer、等々)以外にも普通のキーボードも沢山置いてあり、色々と試し打ちが可能。HHKB、Majestouch2、REALFORCEといったメジャー所の打ち比べが楽しめる。Duckyという珍しい(?)キーボードも扱っていた。また「Cherry MX軸対応 静音化リング」を装着したキーボードの試し打ちもできたので、展示されているREALFORCEの静音タイプと比べてみたりもできる。 ※2016/11/11追記:キーボードコーナーが2Fへ移動して、キーボードが見渡しやすくなった。実際に数えてはいないが、触れるキーボードの総量はB1Fの時とあまり変わらない印象。
ソフマップ 東京・秋葉原 本館(4F) ツクモeX.と並んで、キーボードの展示数が多かったのが本店舗。ツクモeX.は狭い地下1階にぎっしりと詰め込まれて展示されている一方、ソフマップは広いフロアを生かして広々と展示されていた。ゲーミングキーボードについては、展示数はソフマップがかなり多いと感じた。REALFORCEやMajestouch等の定番のキーボードもたくさん試し打ちできる。(※4/16追記:Leopold、富士通コンポーネント メンブレンキーボード等、珍しいキーボードも試し打ちできた。)
GALLERIA Lounge(B1F) ドスパラと同じグループの会社で、ゲーミングPCの販売がメインのお店だが、ゲーミングキーボードと共にREALFORCE等の普通のキーボードの試し打ちも可能。ツクモより微妙に価格が安かった。
ツクモ本店(2F) そこそこの展示量ではあったが、、ツクモeX.へ行けば事足りるかと思う。
ヨドバシAkiba(2F) キーボードの展示量では群を抜いているとは思うが「メカニカルキーボード」は数が少ない。他では見かけなかったARCHISSのキーボードが試し打ちできた。
※2016/7/23追記:後日、店舗ごとのキーボード展示数を数えてみた 。
3.気になったキーボード
個人的には「実用性のあるコンパクトサイズ」かつ「テンキーレス」なキーボードが好みなので、Fキーまでをも排した超コンパクトサイズやフルサイズのキーボードは自然と対象外となってしまう。また、見た目では「英語キーボード」の方が「日本語キーボード」よりスッキリしていて好みなのだが、、昨今の仕事柄、自分のもの以外のキーボード(その多くは日本語キーボード)にも触れる機会が多いため「日本語レイアウト」の有るキーボードが対象となる。
FILCO Majestouch 2 Tenkeyless 青軸・テンキーレス・かなあり (型番:FKBN91MC/JB2)
青軸はカチャカチャ音がするので職場での使用には向かない。だけど自室に引きこもるなら・・・もしかして「かなり癖になる打鍵感(気持ちよさ)かもしれん 」と不覚にも思ってしまった。お店で試し打ちすればするほど手に馴染んでくる。カチャカチャ(カキカキ)音もだんだん心地よくなり・・・危うく購入しそうになった。
FILCO Majestouch 2 Tenkeyless 黒軸・テンキーレス・かなあり (型番:FKBN91ML/JB2)
キータッチの重たい黒軸なんて腱鞘炎になるだけだろ・・・と触るまでは思っていたが、思っていたほど重くない。むしろ、指がキーに素早く跳ね返される(感じがする)ので「高速タイピング向け」といううたい文句に納得した。一瞬、プログラミングに向いているのではと考えたが、、例えば「Shift+Ctrl+O(オー)」といった複数キーの同時操作となってくると、やはり重いキーは辛くなってくるハズ・・・ と考え直す。プログラミングではなく、文書タイプがメインの人なら、視野に入ってくるキーボードなのだと思った。
東プレ REALFORCE 日本語・91キー・テンキーレス・静音タイプ (REALFORCE91UBK-S)
昨今のキーボード事情に疎く「東プレのキーボードは高いけど人気があるそうな」程度の貧弱な情報のみで物色しに行ったのだが、結構な数のラインナップに驚いた。その中で気にったのはテンキーレスの「静音タイプ」キーボード。試し打ちをしたお店には音楽が流れていたりするので、実際に静かな場所で使用してみないと分からないが、、とても静かだと感じた。通常タイプでも十分静かな部類だと感じたが、それ以上に「かなり静か」だと感じた。 お店に並んでいるメカニカルキーボードの中ではピカイチの静かさ。これなら職業プログラマーが職場で使用しても、白い目で見られることはないだろう。ただし、Majestouch 2 の青軸で感じたような「心地よさ(気持ちよさ)」はあまり感じられなかった(タイピングの感触に安っぽさはないのだが、、なぜか青軸が楽しいんだよね)。
東プレ REALFORCE 日本語・91キー・テンキーレス (REALFORCE91UBK)
目立ってダメなところはないが、特別な何かがあるのでもなく、、個人的にはとても無難なキーボード。面白味は求めておらず、しっかりと道具としての役割を果たしてくれるキーボード を求める人向けかと思う。高級過ぎない価格設定(実売価格:1.5万円程度)なので、仕事向けに一台あってもよいかも(でも、自分なら静音タイプを買うと思う)。
4.思っていたより微妙だったキーボード
一部、ゲーミングキーボードやメカニカルではないキーボードが含まれており、趣旨から逸れるが、、店舗で試し打ちをしてみて「微妙だ・・・」と感じたキーボードについても書いておく。
PFU Happy Hacking Keyboard Professional JP 日本語配列モデル・かな無刻印 (型番:PD-KB420B)
10年以上前、HHKBに憧れつつあまりの高さとカーソルキーすらないストイックさに所有を諦めようとしていたときにLite(Lite2?)が出現し、喜び勇んで購入したは良いが・・・やはりFキーすらない、またキー配置に余裕がない超コンパクトサイズを使いこなせなかった思い出がある、イマイチ売れ続ける理由が(個人的には)不明なHHKB。ツクモeX.に数種類置いてあったので、久々に打鍵してみたが、、音が意外とうるさいと感じるのと、他のメカニカルキーボードに比較して、キーを押しているというよりは「小さな箱をコクッコクッと押下している」という・・・分かりづらいがそんな感じw ダメだ・・・やはり俺には使いこなせんよ!
Unicomp Ultra Classic 106日本語 White Buckling Spring USB (型番:UN4KPHA)
テンキー付きかつメカニカルでもないが「これぞキーボードである 」という主張が半端ない、今どきあまり見かけないクラシカルなキーボード。職場で使ったら刺されかねないほどの騒音性と、指が釣りそうになる(?)ほどの硬いスプリングが仕込んである、懐かしむ以外に存在価値が■■(伏字)キーボード。 だがしかし、、「Unicomp EnduraPro Black Buckling Spring USB」というモデルには、クラシカルなキーボードには似つかわしくない^^; トラックポイントが装備されており、「トラックポイント大好き」な自分の興味を引いて止まない(注:筆者はThinkPadユーザであり、家でも職場でもトラックポイントキーボードを愛用しています)。
FILCO Majestouch 2 Tenkeyless 赤軸・テンキーレス・かなあり (型番:FKBN91MRL/JB2)
「ErgoDox EZの購入を決めたとき」は、疲れなさそうな軽めのキータッチである赤軸が良いと判断したのだが、Cherry MX赤軸キーボードをじっくり試し打ちしてみると、どうもテンポよくタイピングができない。軽すぎるというか、反発する速度が遅いというか。茶軸でもその感覚はあまり変わらず。青軸ほどにタイピング音が明確ではなく、楽しめる感は少なく感じる、微妙なキーボードという印象を受けた。ただ、この赤軸に静音化リングを装着したメカニカルキーボードを試し打ちしたところ、「なかなか静かなのでは」と感じた。 東プレの静音タイプには及ばないものの、、静かなメカニカルキーボードのベースとするには良い選択肢かもしれない。
CORSAIR K65 Compact JP 日本語91キーボード (型番:CH-9000040-JP)
ゲーミングキーボードは眼中にないハズなのだが、、このキーボードだけは(ゲーミングキーボードの中では)好みであると感じた(形が割と好み。でも常用には及ばないんだけど)。静寂性とかは考えられてない普通のメカニカルキーボードなので打鍵音はうるさく、打鍵中は常にカシャカシャ音が鳴っている印象。打鍵感は青軸の方が上。ロゴがもう少し控えめならば、、見た目◎になっていたかも。
Microsoft Sculpt Ergonomic Desktop (型番:L5V-00030)
メカニカルキーボードじゃないのだが、、ErgoDox EZを検討した際、他の「エルゴノミクスキーボード」の一つとして、結構買うかどうか悩んだキーボード。しかし、今日、メカニカルキーボードを色々触った後にこのキーボードを打鍵しみると、、違和感ありあり。心地よいタイピング感の「メカニカル」に対し、ボコボコした安定しないタイピング感があり、思わず「買わなくてよかった」と思ってしまった。。キーボードの形状的には優れたものがあるのに、、キースイッチ方式が台無しにしている感じ。
5.試し打ち出来なかったキーボード
例えば「Vortex POK3R PBT Mechanical Keyboard (Blue Cherry MX)」とか「Kinesis Advantage USB Contoured Keyboard」とか。VortexはHHKBと同様にストイックなカテゴリのキーボードであるが、、シンプルさを極めた形に心がグラついてしまった。Kinesisは昔から使ってみたいと思っていたのだが、あまりに一般的でない形状に、他のキーボードを受け付けなくなることを危惧すると手を出す気になれず、なのだが、やっぱりエルゴノミクスキーボードの最高峰かつメカニカルなキーボードとして、改めて評価してみたかったが、本日はお目にかかれず。